伊賀市島ヶ原出身の20歳代の若者らでつくる芸術活動グループ「島ヶ原村民芸術・蜜(みつ)の木」は17日、島ヶ原の国道163号沿いにある「アトリエ河口 絵好住(エコノミークラス)」で、さまざまなアートを集めた企画展「蜜の木 祭の後の異人たち」を開催した。地元の観菩提寺「正月堂」で毎年2月に行われる「修正会」の練り込みなど、旧島ヶ原村をテーマにした絵画や写真、リポートなどを展示し、来場者の注目を集めた。18、24、25日も開かれる。入場無料。
昨年1月に結成され、今回初めての企画展として6人が約15点の作品を出品。グループのメンバーで東大大学院生の数学者が、グレーに塗られた高さ約3メートル、幅約5メートルのボードや、縦約1メートル、横約2メートルのテーブルなどに、白いペンキで、宇宙の成り立ちを求める数式やグラフを無数に書き、その上に別のメンバーの森を描いた抽象画や写真、ドイツ人文化人類学者による祭りのリポートなどを掲げ、相乗効果を演出している。(
印象派複製画)
グループ代表の画家、岩名泰岳さん(26)は祭りで使われるシュロの皮と農作物で作った鬼頭を、高さ約2メートル、幅約1・6メートルのキャンバスに描いた油絵「冬の祭り」なども出品した。アトリエの庭にはグループメンバーで造ったオブジェなども展示されている。
岩名さんは「数式は村内外の宇宙を読み解こうとするもの。修正会は村人の営みから生まれた祭りで島ヶ原の象徴。祭りを通した村人と来訪者である異人のかかわりと芸術を通して、見る人の感性を刺激したい」などとアピールしていた。