6月11日に発表された「福岡アジア文化賞(FUKUOKA PRIZE)」で香港のダニー·ユンさんが芸術·文化賞を受賞したことから7月23日、香港文化中心で受賞伝達式が開かれた。(香港経済新聞)
同賞はアジア地域の優れた文化の振興と相互理解および平和に貢献するため学界、民間が一体となって1990年に創設した賞で、今年は25回目の記念年に当たる。主催は福岡市および公益財団法人福岡よかトピア国際交流財団。
同賞はアジア、東南アジアおよび南アジア地域を対象とし、昨年までに27カ国·地域の96人に授与されている。ムハマド·ユヌスさん(バングラディシュ)や莫言さん(中国)など、その後のノーベル賞受賞者になる著名人も輩出した権威ある賞である。
賞の種類は大賞、学術研究賞、芸術·文化賞の3種類があり、受賞者のダニーさんは芸術·文化賞を受賞。授賞式では福岡市総務企画局中村英一局長が登壇し、ダニー·ユンさんに受賞決定伝達書が授与された。
ダニー·ユンさんは、演出家、劇作家、舞台美術家など多彩な才能を持つ香港の文化クリエーターとしてこれまで100以上の斬新な舞台作品を発表。アジアの芸術·文化の発展に大きく貢献してきた。その一方で、国際交流、文化政策、芸術教育の分野にも熱心に取り組み、舞台芸術と美術にとどまらない多彩な分野で大きな貢献を果たしていることが受賞理由だという。
アメリカで大学時代を過ごし、1970年代後半に香港に戻った後、1982年に芸術家集団「進念·二十面體」の結成に参加。1985年以降、同集団の芸術監督を務めている。中国伝統の昆劇役者集団による生の演技とデジタル映像によって人間と自然の調和を美しく表現するなど、斬新なクリエーティビティーで香港や世界の人を驚かせてきた。(
手描きの油絵)
受賞に際し、ダニーさんは「大変光栄である」と喜びを表した上で、「このように福岡が取り組む国際的な賞、またシティーブランドの作り方は、香港政府も見習うところ」と長年の親交がある香港政府の曾俊華財政司司長を前に提言した。また上海、ニューヨークなどで国際会議に出席するなど精力的な活動を行っている視点から、「世界平和を考える上でも文化はとても大切」と話し、「香港の役割は、アメリカと中国が文化交流を深めていく上でも、双方の文化交流に重要な役割を果たす」と香港の意義を説明。会場一人ひとりの顔を丁寧に眺めるようにゆったりと言葉を紡ぎ、終始和やかにスピーチを行った。(
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同賞は今年の9月17日~21日に本年度受賞者を福岡へ招き、授賞式、市民フォーラム、学校訪問、文化サロンなど各種イベントを開催する予定。