自分が何かを決めるのは自分でしかない 紫野レイの人生は旅
自分が何かを決めるのは自分でしかない 紫野レイの人生は旅

自分が何かを決めるのは自分でしかない 紫野レイの人生は旅

15/08/2014

最近友達と六本木の新国立美術館に行った。オルセー美術館展をやっているところだった。誘われなければ、見に行かなかったであろうその展示は予想外に面白くて、ポストカードを8枚も買った。
先に外に出て、一階の椅子に座って友達を待ちながら、京都に住んでいたころも、よく自転車で美術館に出かけて行ったのを思い出した。
お気に入りは岡崎にある京都国立近代美術館だった。そこは展示を見終わると、大きな窓のある休憩スペースに出る。そこからは東山の風景が一望できた。平安神宮の鳥居と、山の上に見える塔は清水寺だろうか。ぼんやりと何時間でも座っていられた。
昔そこで「マイ·フェイバリット展」という展覧会が開催されていた。それはこの美術館のコレクションのうち、分類できない「その他」というカテゴリーに入れられた作品を中心に展示するというものだった。例えばそこにあったのは、有名なところでデュシャンの「泉」などだ。
印象に残っているのは澤田知子の「ID400」だった。新聞に載っていたのを見て何年も気になっていたのだが、実際に目にするのは初めてだった。これは作者が衣装やメイクを変えて400通りの証明写真を撮ったセルフポートレート作品だ。(踊り子 ドガ)
混乱しながらただじっと見ていたことを覚えている。人の個性は装いによって変えられるとも取れるし、何を変えても自分自身からは逃れられないというようにも感じられた。面白い、そして怖いと思った。
モデルの仕事をするようになって、撮る人や日によって自分の顔が全然違うことが気になった。自分とは何だろうかという疑問が常にあった。理想の自分の顔が出ないことや、それは私ではないのではないかと思う姿がたまに出て来ることも私を悩ませた。「ID400」と自分の写真を何度も見た。自分とは何かと考え、他人の意見を求め続けた。
けれどもその悩みに何の意味があっただろうかと今は思う。ただそこにいる姿の他に、私は存在し得えない。自分が何かを決めるのは自分でしかない。開き直ってサインをしてしまえばいいのだ。便器でさえ作品になるのだから。(複製画)
■紫野レイ(しの·れい) 1989年2月13日兵庫県出身。タレント。京都大学を卒業後、現在は京都大学の経営学の大学院生。テレビ朝日系「クイズプレゼンバラエティーQさま!! 2時間スペシャル」に出演も。身長158センチ、B78·W60·H80のCカップのスレンダーボディー。公式ブログ http://ameblo.jp/shinoray/ も要チェックだ。


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