しりあがり寿、台湾のツァイ·ミンリャン監督引退作に感動
しりあがり寿、台湾のツァイ·ミンリャン監督引退作に感動
27/08/2014
台湾の巨匠ツァイ·ミンリャン監督の引退作『郊遊<ピクニック>』。漫画家·しりあがり寿が映画にインスパイアされ描き下ろした、イラストが斬新なコラボレーションチラシが完成した。
“現代社会”と“孤独”を、独特のユーモアを交えながら独自の美学で描き続けてきたツァイ監督が最後の作品で映しだしたのは、台北で水道も電気もない空き家で暮らす父と、幼い息子と娘の家族。不動産広告の看板を掲げて路上に立ち続ける「人間立て看板」で、わずかな金を稼ぐ父親の孤独と、貧しい暮らしでも、ピクニックをするかのように街を漂流し暮らす子供たちの純粋なきらめきの交差を、デジタルの美を追求した映像で描いている。
哲学的な長編マンガ、風刺4コママンガで数々の賞を受賞しているしりあがり寿は、「監督の強烈な意志に圧倒された。“人間”をテーマにした画廊に足を踏み入れたよう」と作品に魅了されたようで、映画にインスパイアされた3点のイラストを制作。その中から、美しい赤が印象的な家族3人を描いたイラストが日本版チラシのビジュアルとして採用された。「映画が良くて、力が入っちゃいました」とコメントを寄せている。(印象派絵画販売)
ちらしの裏面にはしりあがり寿のほかに、美術家の奈良美智、写真家のホンマタカシ、写真家で今年の木村伊兵衛写真賞を受賞した森栄喜といったアーティストや、デビュー作以降ツァイ監督作品を応援し続けてきた女優·片桐はいりなど、多くの著名人からのコメントが掲載されており、豪華な内容となっている。
映画『郊遊<ピクニック>』は9月6日(土)よりシアター·イメージフォーラム、シネ·リーブル梅田ほか、全国順次公開。(ウィーン分離派油絵)