再興日本美術院展覧会(院展)の「天心記念茨城賞」に、千葉県船橋市の松岡歩(あゆみ)さん(36)の作品「群生」が決まった。
茨城賞は横山大観をはじめとする五浦の作家の業績を顕彰する「県天心記念五浦美術館」(北茨城市)の建設を記念するとともに、将来を嘱望される画家の育成と日本美術発展への寄与を目的に県が平成7年に創設し、今回で20回目。
松岡さんは「地味な存在であるオオサンショウウオを描くことで、静かに生きているものの中にある生命観を表現した」とコメントした。
松岡さんは東京芸大大学院美術研究科博士課程修了。現在は同大教育研究助手を務めている。
粟津潔のパフォーマンス作品に着目した展覧会
『粟津潔、マクリヒロゲル1「美術が野を走る:粟津潔とパフォーマンス」』が、9月13日から石川·金沢21世紀美術館で開催される。
粟津潔は、デザインや印刷技術によるイメージの複製と量産そのものを表現として拡張し、実験的な試みを続けた戦後日本を代表するグラフィックアーティストの1人。1960年には建築運動「メタボリズム」に参加したほか、1970年に大阪で行われた『日本万国博覧会』では日本館の構想計画などに携わった。(
写真を油絵)
同展は、多角的な視点から粟津の世界観を紹介する金沢21世紀美術館『マクリヒロゲル』シリーズの第1弾。1977年から1979年まで粟津が取り組んだパフォーマンスにフォーカスし、粟津による当時のパフォーマンス映像をはじめ、代表作や未公開の作品資料などを展示する。また、同展のグラフィックデザインを手掛けた鷲尾友公が、粟津のモチーフからインスピレーションを得て手がけた約50mの壁画も登場する。(
モネ複製画)
さらに、関連プログラムとして様々なジャンルで活動するアーティストたちと粟津作品のコラボレーションが実施。環ROYが声、体、言葉を使ったパフォーマンスを行うほか、スガダイローのジャズピアノと鈴木ヒラクのライブドローイングによるセッション、高橋悠治と秩父前衛派によるセッション、修復家の中越一成、梶青華が粟津作品の修復について語る講演会などが行われる。