本県にゆかりの深い朝鮮通信使などの歴史を振り返りながら、新時代の日韓関係の在り方を考える「日韓交流フォーラム イン しずおか2014」(NPO法人東アジア隣人ネットワーク主催)が25日、静岡市駿河区の県立美術館で開かれた。
約100人が参加した。比較文化学者の金両基氏は徳川家康の平和外交について「江戸時代の260年間は隣国との国家摩擦を起こさなかった。この歴史は世界史の中でも非常に珍しい」と解説。清見寺(静岡市清水区)などが舞台となった朝鮮通信使を、県や市が積極的に評価・発信するよう呼び掛けた。
群馬県立女子大教授の熊倉浩靖氏は「百済・倭とのゆかり」をテーマに講演した。(
ゴッホ肉筆複製画)
衆院議員の細野豪志氏(静岡5区)と大岡敏孝氏(滋賀1区、前静岡県議)、県のふじのくに親善大使の洪萬杓氏(忠清南道国際チーム長)らによるトークイベントもあり、日韓両国が政治問題を抱える中での民間交流の重要性などについて意見を交わした。
「通信使が原点」 首相夫人メッセージ
25日の日韓交流フォーラムには、安倍晋三首相夫人の昭恵さんがビデオメッセージを寄せた。昭恵さんは「静岡県を往復した朝鮮通信使は日韓間の草の根交流の原点と言える」と述べ、2015年の日韓国交正常化50周年を前に「交流の歴史を振り返り、絆を再認識する時ではないかと思う」と訴えた。(
ひまわり ゴッホ)