東京ミッドタウンのサントリー美術館(港区赤坂9)で6月11日、「徒然草」にまつわる江戸時代の絵巻などを紹介する展覧会「徒然草 美術で楽しむ古典文学」が始まった。(六本木経済新聞)
「徒然草」は鎌倉時代末期に兼好法師によって書かれた古典文学で、「枕草子」「方丈記」と共に日本三大随筆にも数えられる作品だが、その享受が始まったのは慶長年間(1596~1615年)であるとされる。同展では「徒然草」にまつわる絵巻物など56点を紹介し、同作品が江戸時代にどのように受容され、鑑賞されていったかをたどりながら、その魅力を紹介する。
展示は4部で構成。第1部「兼好と徒然草」では、兼好の人間像に迫る肖像画や発表後100年以上がたってから始まったといわれる享受の歴史をたどる作品を紹介。第2部「『徒然絵』の諸相」では、同作品が江戸時代にさまざまな形態で絵画化された「徒然絵」を紹介。第3部「徒然草を読む」では、同作品のほぼ全段を絵画化した海北友雪の「徒然草絵巻」から名場面を紹介。同絵巻は同館が近年収蔵品に加えたもので、今回が初公開となる。第4部「海北友雪の画業における『徒然草絵巻』」では、海北友雪のその他の作品から友雪の行の全容を紹介する。(
印象 日の出)
会期中にはエデュケーション·プログラムも開催。7月5日13時30分~15時30分には金龍山浅草寺職員の土谷真紀さんと同美術館学芸員による特別講座「はじめてのくずし字~徒然草絵巻を読んでみよう」、7月13日10時30分~11時30分と14時~15時には印刷博物館「印刷の家」インストラクターによる親子ワークショップ「活版印刷をやってみよう」を開く。参加費は、特別講座=1,500円、ワークショップ=500円など。参加には事前応募が必要。
開館時間は10時~18時(金曜·土曜は20時まで)。火曜休館。入館料は一般=1,300円など。7月21日まで。(
手描きの油絵)