タジオジブリの最新アニメーション映画『思い出のマーニー』の完成報告会見が2日、東京都内で行われ、声優を務める高月彩良、有村架純、松嶋菜々子、寺島進、根岸季衣、森山良子、黒木瞳、米林宏昌監督、西村義明プロデューサーらが浴衣姿で出席した。
ジブリ史上初となるダブルヒロインの一人、マーニー役でアニメ声優初挑戦の有村は「報告を受けたときは本当に信じられなくて『嘘ですよね?』と何度も確認して、作品の収録が終わって取材を受けさせてもらううちに実感していきました」と大抜擢に夢心地。ジブリ映画では数々の名優が声をあててきただけに「自分の名前が残るのはプレッシャー」と不安を口にするも「私が演じたマーニーという少女を良いと思って採用してくれたことに自信を持って、最後までやり遂げようと挑戦しました。私の宝物となる作品になりました」と自信を覗かせた。
長編アニメーションは2010年の映画『借りぐらしのアリエッティ』以来4年ぶりとなる米林監督が、イギリス人作家のジョーン·G·ロビンソンによる児童文学作品をベースにアニメ化。海辺の村の誰も住んでいない湿地の屋敷を舞台に、心を閉ざした少女·安奈(高月)と青い窓に閉じ込められたブロンドの少女·マーニー(有村)との不思議な交流を描く。
有村同様、オーディションによってヒロインに抜擢された高月は本作を「一生の誇り」と噛みしめながら「完成した作品を観たときは夢じゃなかったんだと実感できました。最初は客観的に観ることが出来なくて、もう一度観たら映画の良さがわかりました。風の音や風景…すべてが美しい映画です」とその魅力を表現。有村も「物語の中に引き込まれて観終わった後は立てなかったし、杏奈に感情移入をして泣いてしまいました」と感涙したことを明かし「それぞれ癒されるキャラクターばかりで、美しい風景なども含めて何一つ欠けてはいけないと思いました」と感想を述べた。(
日傘をさす女性)
一方、杏奈の養母役で映画『風の谷のナウシカ』からのジブリファンという松嶋は「私も母親なので、娘を思う気持ちをリアルタイムで演じることが出来ました。3時間くらいで収録が終わってしまったので、もっとやりたかったです」と名残惜しそうだった。
本作は宮崎駿監督、高畑勲監督がタッチしていない初のジブリ作品でもある。両巨匠はすでに作品を鑑賞済だそうで、宮崎監督は「まろ(米林宏昌監督)、よく頑張った。米林宏昌と言う男は1+1は5の男であることがわかった」と声をかけたそうだ。また高畑監督からは「作画も美術も本編もさすがジブリだと言われるものを作った。この作品を持って米林監督はジジイが去った後の押しも押されぬエースとして世間にもてはやされるだろう。米林宏昌監督を祝福したい」との長文メールが西村宛に届いたという。両巨頭の言葉を初めて聞かされた米林監督は、頭をかきながら「本当に嬉しい。ありがとうございます」と感激で胸がいっぱいの様子だ。
スタジオジブリ最新作『思い出のマーニー』は7月19日より全国公開。(
舞台の踊り子)