山形美術館開館50周年を記念した「細川家の名宝と細川護煕の風雅」展(山形新聞、山形放送8大事業)が25日、山形市の同館で開幕した。家伝の美術工芸品に加え、18代当主で元首相の護煕さんが創作した茶器やふすま絵など計162点を一堂に展示。細川家700年の歴史が育んだ美の世界が広がる。
同館1階には国宝の「柏木菟螺鈿鞍(かしわみみずくらでんくら)」「金銀錯狩猟文鏡(きんぎんさくしゅりょうもんきょう)」をはじめ、貴重な美術品が並ぶ。2階は護煕さんの作品。四方を囲むように貼られたふすま絵のほか、詩から着想を得た油絵、趣のある茶器などが展示され、多彩な美の空間を醸し出す。
この日の開展式では、主催者を代表し、黒沢洋介山形新聞グループ経営会議議長が「50周年を迎える山形美術館は本県の美術の中核として一定の役割を果たしてきた」と述べた上で「文化芸術を伝承してきた細川家の代表的な美術品を鑑賞できる絶好の機会。護煕さんの多方面に及ぶ創作も見られる。県内外の多くの人に見てほしい」とあいさつした。
護煕さんはあいさつで細川家の歴史を説明し「文武両道の細川家だが“文”によって家を保ってきた部分がある。戦災に遭わず、珍しいものが多く残っているのも特徴だ」と語った。吉村美栄子知事、市川昭男山形市長が祝辞を述べた。(肖像画制作)
続いて、護煕さん、細川佳代子NPO法人勇気の翼インクルージョン2015理事長、竹内順一永青文庫館長、吉村知事、市川市長、黒沢議長、寒河江浩二山形新聞社長、本間和夫山形放送社長、古沢茂堂東北芸術工科大副理事長、加藤千明山形美術館長がテープカット。開幕から多くの美術ファンでにぎわった。
展示は8月24日までで、月曜日休館。8月10日午後2時から竹内館長の記念講演会、17日午後2時からは水墨画の体験ワークショップが開かれる。(モネ 油絵 )