イタリアルネッサンスの最高傑作。ヴィーナスの左側には誕生を祝福する西風の神セウロスと妻である花の女神フローラ、右側には時の神ホーラが描かれています。
ヴィーナスの誕生
アーティスト:サンドロ・ボッティチェリ
海の泡から成人した姿で誕生した美と愛の女神ヴィーナス。輝くばかりの裸身を恥じらいの仕草で隠した女神は、帆立貝の貝殻に乗ってゆったりと波の上を移動していきます。
女神の身を運ぶのは優しい息吹を吹きつける西風の神ゼフュロス。また彼の妻である花の女神フローラも愛しい夫に抱きついてともに空を駆け、ヴィーナスの聖花である薔薇を辺り一面にまき散らします。
西風に吹き寄せられて女神が流れ着いたのはキュプロス島の浜辺。上陸しようとする彼女を季節の女神ホーラが出迎え、華麗な紅の衣裳をその身に着せかけようとしています。彼女の手を借りて身支度を整えた後、高貴な女神は神々の集うオリュンポスへと昇っていくのでしょう。